下肢静脈瘤広報センター

下肢静脈瘤の治療法

保存療法(圧迫療法)

医療用の弾性ストッキングや弾性包帯で、下肢に適度な圧力を与えることで下肢に余分な血液がたまることを予防し、下肢の深部にある静脈(深部静脈という下肢静脈の本幹)への流れを助けます。
医療用の弾性ストッキングは、医療施設で取り扱っているものが効果的です。薬局やスポーツ店で販売しているストッキングやサポートグッズは、効果では劣りますし圧迫部位が部分的であると不適切な場合があります。
以前と比べ、現在の医療用弾性ストッキングは、デザイン的にも性能的にも改良されサイズや仕様にも選択肢が増えてきました。

※弾性ストッキングなどによる圧迫療法は、あくまでも進行防止・現状維持が目的で、下肢静脈瘤そのものが治るわけではありません。しかし、下肢静脈瘤の初期治療としてはとても重要です。
すぐに手術を受けられない方も、ぜひとも弾性ストッキングは開始して頂き、今後の治療方針をご相談して頂いたほうが良いと思います。
選定やフィッティング(試着)にあたっては、やはり血管外科専門医やストッキングの専門知識・資格を有するストッキングコンダクター(看護師・検査技師)に相談することが大切です。

硬化療法

下肢静脈瘤の姑息的な治療法として古くから行われている方法であります。 硬化剤という薬剤を注入し、静脈の内側の壁と壁をくっつけて血栓(血のかたまり)をつくり詰めてしまう方法です。 5~10分程度で治療は終了しますが、約2~3週間の弾性ストッキング圧迫を要します。主に静脈瘤手術後の残った静脈瘤の治療として行います。

または再発した静脈瘤に適応となる場合が多いです。 最初の手術で太ももなどの太い静脈は治療されているので、細い血管が再発の原因となっています。この原因をまた手術することは少なく、硬化療法で治療することが出来ます。
また、網目状静脈瘤やクモの巣状静脈瘤など軽症例の場合は、美容的要素が強いため、医師とご相談の上、治療を行います。

硬化療法だけで、すべての下肢静脈瘤が治療できればよいのですが、軽度の静脈瘤以外には有効とはいえません。
合併症として、色素沈着や固めた静脈瘤の血栓化に伴う痛み、発赤、深部静脈血栓症、薬剤アレルギーなどがあります。 静脈瘤内血栓症と色素沈着を除けば、その他は比較的まれな合併症です。色素沈着は多くの患者様で最終的には消えますが、1~2年を要することが多いです。まれに残ってしまう場合もあります。
簡便な治療法でありますが、効果が不十分になる可能性がある治療法です。

ストリッピング手術(静脈抜去手術)

下肢静脈瘤の治療法として古くから行われている手術で、弁不全をおこしている静脈を引き抜いてしまう方法です。 局所麻酔(TLA麻酔)で外来日帰り手術を行っている施設が主ですが、入院の場合(2~7日)は全身麻酔あるいは下半身麻酔で行います。 この手術は、静脈を抜去するときに、まわりにある知覚神経にダメージを与えることがあり、手術後にしばらくの間しびれた感覚が出ることがあります。 1年以上かかることもありますが、様子見で治る場合が多いです。

最新レーザー治療

静脈内レーザー焼灼術

平成23年1月よりレーザー治療が保険適用となり、健康保険でレーザー治療を受けられるようになりました。
ただし、薬事認可されたエルベス社製レーザーを用いて、日本静脈学会の血管内レーザー焼灼術実施管理委員会が認定する講習会を受講したレーザー実施医が手術を行った場合に保険診療が可能となります。 レーザー実施施設の認可も合わせて取得している施設にて治療を受けることで、安心安全に治療を受けられます。

下肢静脈瘤のレーザー治療はエンドレーザー法(EVLT:Endovenous Laser Treatment)といい、細いレーザーファイバーを静脈の中に入れ、中から血管を焼いてしまう方法です。 従来のストリッピング手術と同様に局所麻酔(TLA麻酔)を使用しますが、ほとんど傷がなく、短時間で静脈瘤の治療が可能となり患者さんの負担が軽くなりました。
体に優しい安全な治療法です。日帰りで治療を受けることができます。治療後の皮下出血・痛みが少なく、傷跡も小さく目立ちません。
日帰り手術の場合、両足に静脈瘤がある方は、手術は両足同時には行いません。麻酔の量が両足分の2倍になると、一回に使用できる薬剤量を超えてしまう可能性があるため、安全を優先して片足ずつします。

必要時、レーザー治療と同時に瘤(こぶ)を取る処置(静脈瘤切除術)を行います。これも約2- 3mmの傷から静脈を引っ掛けるように引き出して、手術後の瘤を目立たなくする方法です。
弾性包帯を巻いて圧迫し、手術後すぐに歩いて帰宅できます。

通常の日常生活は送っていただいて構いません。翌日から弾性ストッキングを着用し、仕事(デスクワーク・軽作業)は可能です。翌日からシャワー、状態により2日~1週間後より入浴が可能です。スポーツは1~2週間後より可能となります。

ラジオ波(高周波)治療

平成26年よりラジオ波(高周波)による下肢静脈瘤血管内焼灼術が保険収載されました。

この治療は、高周波エネルギーを発生させる機器本体(ジェネレーター)にカテーテルを接続し、弁不全のため静脈瘤となってしまった血管内にカテーテルを挿入します。 挿入されたカテーテルの発熱部にエネルギーが伝わり、120℃の熱が加わることで、血管内の組織に変性が起こり収縮し、悪くなっている血管が閉塞します。
高温で焼灼しますが、静脈壁の組織のみにエネルギーが作用するため、その周辺組織への影響はなく、血管壁だけを焼灼することができます。

局所麻酔(TLA麻酔)で治療が行え、日帰りで帰宅が可能です。術後もレーザー治療とほぼ変わらない経過をたどります。

スタブ アバルジョン法(Stab Avulsion法)

英語のままだとイメージが浮かびませんが、静脈瘤部分切除術とも言われます。
簡単に言えば、ボコボコした血管を小さな傷で直接取ってしまう方法です。

レーザー焼灼術やストリッピング術で太ももや膝の裏の血管を治療した後に、ボコボコした血管は徐々に小さくなっていきます。 しかしそれには数か月かかる方や完全に消えていかない方もいます。特に大きな静脈瘤の方は期待が出来ません。
そこで、手術中に同時にこぶを取って確実に治してしまおうという方法になります。
以前は大きな傷を付けていましたが、現在は器具の進歩により2-3mmの小さい傷よりこぶを引っかけて血管を引きずり出します。
小さい傷ですので傷を縫う必要もなく、消毒の必要もありません。テープを貼ったまま1週間後にテープを外して、徐々に傷が目立たなくなっていきます。

下肢静脈瘤 治療後の足の状態
  • レーザー治療
  • ストリッピング手術

下肢静脈瘤 治療用弾性ストッキング

下肢静脈瘤に効果的な弾性ストッキングは、一般的に手術や硬化療法などの後や治療効果の維持ならびに、治療の一貫としても広く用いられています。また、症状の進行防止や予防目的に使用しても効果を発揮します。

弾性ストッキングは医療用具のため、からだに合ったサイズの選択やコンプレッション(圧力)の選定がとても重要です。

病気の進行具合や、今あらわれている症状などによって、着用する弾性ストッキングが異なりますので、選定やフィッティングにあたっては、やはり血管外科専門の先生や、ストッキングの専門知識・資格を有するストッキングコンダクターに相談することが大切です。

ストッキングコンダクター
静脈疾患の患者さんに適切なアドバイスができるよう、日本静脈学会が認定する 弾力性ストッキングコンダクターの有資格者がストッキングフィッティングにあたります。
弾性ストッキングのご相談は
〒130-0021 東京都墨田区緑3-17-11
両国あしのクリニック

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